健康科学ブログ

看護師・医学博士、医療系企業でマネージャーとして仕事をしている。ダイエット法やお金の話し、ビジネスにおける思考など、日々の学びや体験をブログに綴っていきたいと思います。

人は聞き方が9割:中編

昨日に引き続いて、
ベストセラー「人は聞き方が9割」、著者:松永茂久さん
こちらの本について書いていきたいと思います。

聞く姿が美しいリアクション美人になろう。

よく言われているように、 私たち日本人は世界の中で見ても、特にシャイな人種。そんな日本人の特徴として、特に初対面の相手に対して緊張をして、何を話せばよいのか分からないという悩みを持っている人がかなり多いのではないでしょうか。
どんな場所でもすれ違う人に、「はーい♪」と声をかけたり、微笑んだりすることが日常的な習慣の欧米人のように、フランクにコミュニケーションをとる方法を学ぶべきなのかというと、おそらくそれは国民性に合わないでしょう。そこで著者が提案されているのが次の解決策です。それは聞く力、そして周りの人に質問をして会話を広げる力を伸ばすことに特化するということです。


名キャッチャーになろう

昨日も書きましたが、人間は話したい生き物である。人間のなかで聞き役は希少価値が高く、話し相手から好かれ、周りの人からの評価が上がる存在である。
聞き役は会話の主導権を握っている。では、コミュニケーションをうまくとるにはとりあえず相手の話を、"うんうん"と聞いていればいいのかというとそういう訳ではない。
相手との関係を良好に気づくコミュニケーションをとりたいのであれば、話の聞き方、つまり話を聞くときの表情や態度リアクションなども 大切にしなければいけない。
コミュニケーションとは、ピッチャーとキャッチャーが存在する野球に例えるとわかりやすい。例えば数人で会食している様子を想像してみる。大勢の人が集まるとその中に一人や二人は自分の話をするのが得意な人が居る。 
その人はポジションで言うとまさに話題というボールを投げるピッチャー。ピッチャーが投げたボールによって会話がスタートすると、今度はそれを拾うキャッチャーが必要になる。
そうです、聞き手のことです。野球で名キャッチャーと呼ばれる人はただボールを受けるだけでなく、"スパーン!”と、わざと音を鳴らして 、ボールを受ける技術に長けている。そして、「ナイスボール!』と声をかけながら、ピッチャーにボールを投げ返す。これをすることによってピッチャーの気持ちを高揚させている。
さらにキャッチャーは、ピッチャーからのボールをファーストセカンドサードに投げる選択権を持っており、受けたボールをその場を拠点として大木のように広げていくということからも、まさに会話においては聞き役であると言えるのではないでしょうか。
自分から話を切り出すのが苦手ならば、無理してピッチャーにならなくてもよく、名キャッチャーになれば良い。話す人の言葉に対していかにいい音を鳴らして受け取るか、そのボールをいかにほかの塁に投げて会話を広げていくのか、その技術を磨いていけばよい。
良い受信者になることができれば、発信者は安心して自分の話したいことを話すことができきる。
欧米人のように自分の想いを積極的に発信できる人は"すごい人だ"、そんな風に思っている日本人が多いのではないでしょうか。
しかし、古くから日本人には自分の思いを一方的に発信する人は単なるおしゃべりで、"底の浅い人"と捉え、反対に人の話をしっかりと聞いて静かに受け止めることができる人を、”徳の高い人”と捉える文化がある。
話すのが苦手な人はその特性を一概に否定し、話せるようにならなければいけないと四苦八苦するよりも、話をしっかりと受け止めることができる人に価値があるという日本人本来の得意な部分を育てていく方が良いかもしれない。


こんな聞き手にはなるな

「この人の話って広がらないな」
「この人本当にちゃんと聞いてくれているのかな」 
「なんかこの人との会話って気を使って疲れる」
普段のやり取りの中でそのように感じる人っているのではないでしょうか。
日本人は自己表現が苦手な国民性なので、多くの人は、人の話を聞いている時に自分の感情をあまり表現しない傾向にある。
このような聞き方が原因で、仕事、プライベート、友人関係すべてにおいて損をしてしまっている人がたくさんいる。著者は多いときは1万人を超える人々の前で講演を行っており、この悩みにぶち当たった。話をしているとき、お客さんは無表情で腕組みのノーリアクション。それ故に自分の話が面白くないのかなと思った。このような聞き方は仕事やプライベートなど、どんな場面においても相手に誤解を与えてしまい、相手から良い印象を持たれづらくなってしまう。例えば、会議、多くの人にとって会議って面倒くさい、面白くない、早く終わって欲しいというイメージがあるが、 それには次のような原因がある。
・会議参加者の表情が作り出す空気
・正解以外は全部ダメという聞く側のプレッシャー
・絶対に正解を言わないといけないという思い込み


日本人は真面目で真剣な顔をしなければという思い込みを持っている。笑顔でたくさんの人が頷きながら発表者をねぎらう、そのような会議の場面は何か前向きなことが決まった時を除いて、テレビでもほとんど見たことがない。
多くの出席者が眉間にしわを寄せ、腕を組み 、社長やリーダーが意見を出せとプレッシャーを与えているような環境、そして聞く立場の人の正解じゃないと認めないよという空気の中では発信者はなかなか本音を言うことができない。そもそも発言しようという気にもなりらない。
話の聞き方という点で考えると、聞き手の難しい顔とか、正解じゃないと認めないよ、という空気とか、正解を言わなければいけないという心理は、プライベートでも如実に表れ、特に立場の上下がはっきり出てしまうケースではよく問題になる。例えば親子の会話、先輩後輩の飲み会など、こういった場面でも否定のない全肯定の空間であれば発言がしやすくなり、関係性が良くなる。
人は周りが自分の話を温かく聞いてくれているという確固たる安心感を持つとどんな人でも話せるようになる。 しかし、否定空間だと弱い立場の者が委縮し、強い立場の者がマウンティングしてしまうという結果になる。
話し相手から好かれる聞き方のポイントは、聞き手の難しい顔、正解じゃないと認めないよという空気、正解を言わなければいけないという心理、この3つに気をつけるようにすること。


ダラダラと書いてしまったので、まとめ


ポイント1

話すのが苦手であれば欧米人のようなコミュニケーションスキルを学ぶよりも、話をしっかりと受け止めることができる、人に価値があるという日本人本来の得意な部分を育てると良い。話す人の言葉に対していかに気持ちの良いリアクションをするか、そしてキャッチしたボールをいかにうまく話して、あるいは会話の参加者に向けて投げ返すかという技術を磨く


ポイント2

人は周りが自分の話を温かく聞いてくれるという確固たる安心感を持つと、どんな人でも話せるようになる 。そのような空間を作るために大切なのは、
・難しい顔で聞くのではなく、笑顔とうなずきを入れながら聞く
・相手の発言に対して 「いいね」という工程の開始から始める
・相手が言ったことに対して訂正したり腕組みして難しい顔をしない


またまた長くなってしまったので、今日はこの辺までとします。
明日また続きを書こうと思います。
と言うことで、後編としましたが、中編にしておきたいと思います。


それでは皆さん、良い週末を〜♪